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July 19, 2007

「バスに乗り遅れるな」?

 六ヶ国協議をめぐって「バスに乗り遅れるな」とばかりに、日本の孤立化を杞憂し、拉致問題を後回しにしてでも日本も米国の後を追いかけるべきだとの主張をよく耳にする。しかし、よく見ればバスに乗っているのはアメリカと北朝鮮だけだ。バスに乗り遅れまいとして必死にバスの後を追いかけているのは中国と韓国である。日本はバスが再び戻ってくるまで泰然自若として待てばよい。
 そもそも現状は日本にとって何ら不利な状況にはない。アメリカが単独で北朝鮮の非核化に向けて努力しているのである。日本はその恩恵に預かればよいだけだ。米国は日本ばかりか中国、韓国までおいてぎぼりにしながら、ひたすら北朝鮮の要望を受け入れてきた。バンコ・デルタ・アジアでの無様なまでの対北融和政策を見れば、米国がとにかく北の非核化を求めているのがよくわかる。
 なぜ米国はこれほどまでに対北交渉でベタオリしたのか。最大の理由は、ブッシュ政権がこのままでは最低の大統領と批判された第29代大統領ウォレン・ハーディングよりも悪い米国史上最低の大統領として歴史に残るからである。なんとしてでもブッシュは北を非核化し、テロ国家の指定を解除し、米朝国交回復し、朝鮮戦争を終結させて、アジアに平和をもたらした大統領として有終の美を飾りたいのだろう。
 日本にとって米国のこの豹変ぶりは、何ら問題はない。それどころか米国にすべてをまかせてもよいくらいだ。つまり米国が単独で北の非核化するのであれば、その恩恵に預かるのは日本である。日本は労せずして米国に北を非核化してもらうことができる。であれば、日本は一貫して拉致問題の解決に専心すればよい。
 米国が米朝国交回復すれは、日本だけが取り残されるという心配は杞憂にすぎない。日本には、いささか信頼感が薄れかけているが、日米同盟がある。米国が日米同盟よりも米朝友好関係を優先するとでもいうなら、孤立化を心配しなければいけないかもしれない。しかし、その時日本は北の核に対抗するために自主独立核武装の道を選択するだけだ。
 アメリカが日本の核武装を許すはずがないというが、米国がこれまで核武装を阻止できた国はイラクとリビア以外にない。もっともこの2ヶ国がどこまで本気で核武装に取り組んでいたかは疑問だ。それ以外の国、つまりソ連、フランス、イギリス、中国、イスラエル、南アフリカ、インド、パキスタンそして北朝鮮、米国が最初の核武装国家になって以来、すでに9ヶ国の核兵器保有を米国は阻止できなかった。
 現在の北朝鮮に対しても米国の本音は完全非核化ではなく、北朝鮮国外への核拡散防止にある。つまり米国は非核化といいながら事実上北の核兵器保有を認めている。過去の教訓を振り返るなら米国が日本の核武装に反対することなどできようはずもない。
 運転手は自分だとばかり米国は思っていたのにいつのまにか北朝鮮にバスを乗っ取られ、米国は北朝鮮の思うところに連れて行かれようとしている。日本はバスに乗り遅れて孤立化しているのではない。むしろ乗っ取られたバスに乗らなくてよかったのだ。

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