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April 07, 2008

ルワンダ、ケニア、ウガンダ紀行

オヤジ・パックパッカー、虐殺地、紛争地帯を歩く-その1-

 昨年のカンボジアのキリング・フィールド訪問に続いて、今年も思い立って、現代の虐殺の現場を確かめるためにルワンダを訪れた。虐殺の背景や政治、社会情勢等についての論評は稿をあらためてブログに掲載する。
 ここでは、明確な予定をたてないままに、ルワンダ、ウガンダ、ケニアをオヤジ・バック・パッカーとなって放浪した足跡を旅行記として残しておきたい。元祖「地球の歩き方」にも記載されていない「ルワンダの歩き方」は、同国に関心を持つ人に多少なりとも役にたつと思う。

 ルワンダ行きを決意したのは、年度内の仕事に目鼻がついた1月下旬だった。ルワンダ紛争や虐殺について長年講義しておきながら一度も現場をみていないことに内心忸怩たる思いがあり、その鬱積した思いが募ってルワンダ行きを決意した。もう一つの理由は還暦がそろそろ見え始めた年になって、どれだけ自由気ままな旅をする気力と体力が残っているかをためしたいこともあった。1973年の夏に「カプリシアス・ツァー」という団体旅行を一人で企画し、20人を引き連れて、ヨーロッパまで引率したことがあった。体力はともかく、当時の気力がどのくらい残っているのかをためしてみたかった。若いバックパッカーに負けないオヤジ・バックパッカーとして、虐殺以外ほとんど知られいていない未知の国ルワンダ、現在紛争の硝煙たなびくケニア、そして反政府勢力いまだに跋扈するウガンダに挑戦したかったのだ。
 
出発前-旅行の準備のドタバタ騒ぎ-

 行くと、決意してまず最初にしなければならないのは飛行機の手配だ。ケニアのナイロビまではエミレーツ航空、ドバイ経由で簡単に格安チケットがとれる。しかし、ナイロビからルワンダの首都キガリまでの格安チケットはなく、結局ナイロビからはケニア航空で往復数万円の普通運賃のチケットを東京で予約することになった。現地で手配した方が結果的によかったが。
 チケットの予約は簡単にできたのだが、旅行会社から発券する条件として、ナイロビおよびキガリのホテルを予約することを求められた。本当に行けるかどうかを危ぶんだのだろう。
 実際ケニアは昨年末(2007年12月)の大統領選挙をめぐって政治的混乱がおこり武力衝突がたえなかった。日本外務省はケニアの一部地域に対して渡航延期勧告を出していた。またルワンダについては、インターネットでもあまり正確な情報が載っておらず、国情がどのようになっているのかほとんど不明だった。外務省のホームページをみても、ルワンダについては通り一遍の情報しか乗せていない。またルワンダ大使館のホームページやルワンダ政府のホームページも個人のホームページ並のお粗末さであまり役には立たない。調べれば調べるほど情報の少なさに驚き、不安は募っていった。しかし、実際に現地に行くと、こうした不安が全くの杞憂であったことがわかった。
 ともかくもナイロビは『地球の歩き方』を参考に、安全を考えてナイロビ・ヒルトンを予約した。ルワンダはインターネットで検索すると、首都キガリにはいくつかのホテルがあることがわかった。映画のタイトルにある「ホテル・ルワンダ」はなかったが、意外なことに世界にチェーンを持つ「ノボテル」があったのでノボテルを予約した。他にもセリナ・ホテルがあったのにはびっくりした。カブールやナイロビにもあり、一泊300ドル以上はする最高級ホテルだ。ちなみにカブールのセリナ・ホテルは昨年自爆テロにあい、今は閑古鳥が鳴いているという。
 ホテルの予約がとれた事で、チケットは無事発券できた。ドバイ、ナイロビ経由で東京-キガリ往復は約26万円であった。
 航空券とホテルの手配の次にビザの取得が必要になった。このときほど都心に暮らしていることのありがたさを感じた事はない。ルワンダ、ケニア、そして時間が許せばウガンダにも行くつもりで、3ヶ国のビザを取る事にした。3ヶ国の大使館がいずれも、自宅から30分以内にあり、多いに時間の節約になった。
 ルワンダ大使館とケニア大使館はともに東横線自由が丘駅から徒歩かタクシーで行ける。ルワンダ大使館は住宅街にあり一般家屋と外見は変わらない。国旗が立っていなければ見落としてしまうような普通の家を大使館として使っている。初めて行ったときは、その国旗さえ見落としてしまった。近所の人に訊いてもわからなかった。たまたまとおりがかりの人に、あそこの家には外人さんがよく出入りしていますよといわれ、指さされた家に行くと、まさにそこがルワンダ大使館だった。
 普通の家のように、玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて20畳くらいのリビングのような部屋にはいると、中年の日本人女性が一人事務をとっていた。ビザの申請料6000円也を払ってパスポートを一旦預ける事になった。
 数日後ビザを受け取りに、自由が丘からタクシーでルワンダ大使館にいくのだが、運転手がルワンダ大使館の場所がわからず、カーナビで検索してもヒットせず、結局最寄りのテニスコートを目標に行く事になる。ところが私自身が生来の方向音痴で、前にきたところなのに大使館の場所がわからず、しばらく右往左往するはめになった。とにもかくにもようやく大使館にたどりつき、ビザを貼りつけたパスポートを受け取った。そして待たせておいたタクシーで今度はルワンダ大使館から数分の距離にあるケニア大使館にビザの申請に行った。
 国力の差なのか、ルワンダ大使館とは異なりケニア大使館は公邸も備えた大使館らしい大使館であった。多くの人がビザ申請に来るらしく、ビザ申請専用の窓口があった。ここでも6000円也を払ってパスポートを一時預けた。二日後にビザを受け取り、その足で代官山にあるウガンダ大使館にビザ申請に行く。
 地図では簡単そうなのだが、ルワンダ大使館同様にウガンダ大使館も一般家屋を利用しているために、なかなか見つけられず、ここでも多いに道に迷った。なんとか見つけ出したものの、日本人の女性係員が電話にかかりっきりで待てど暮らせど応対に出る様子がない。しびれを切らして、たまたま二階からおりてきた日本人女性をつかまえて、ビザ申請をしたいというと、やっと事務にとりついでくれた。その日の内に発行するというから、また来るのも面倒と思い、大きなリビング・ルームのような部屋で待つ事にする。
 これがまちがいだった。ビザを申請しにきたのはその時には私しかおらず、どう考えても、そんなに時間はかからないだろうと思ったのだ。しかし、待つ事およそ2時間。ようやくビザを手に入れたときにはすでに夕方の5時だった。申請料は6000円。
 結論からいえば、3ヶ国とも入国時に空港でビザを申請した方が手っとり早い。しかも50ドルと安い。6000円というのは円安時のレート、1ドル120円で換算しているからだろう。
 飛行機のチケット、ビザに次いで必要なのは、予防接種だ。30年前にヨーロッパへ行く途中にエシプトに立ち寄る事になり、そのときに黄熱病の予防注射をしたことがあった。当時は有楽町の交通会館に予防注射専門の診療所があり、パスポート申請のついでに予防接種できたのだが、今はお台場にある東京検疫所まででかけなければならない。
 黄熱病の予防接種は火曜日の午後、しかも事前予約制で人数制限があった。最初希望した日はすでに満員で、一週間後に延ばしたのが、予防注射が有効になるのはルワンダ入国後ということになり、入国拒否になるのではないかと、いささか心配した。これもまた杞憂であった。イエローカードの提出を求めた国は一ヶ国もなかった。
 火曜日の午後、指定された時間に行くと、そこには数十人の予約者が集まっていた。アフリカや中南米に行く人々が結構に多いのには驚いた。順番を待っている間に掲示してあるポスターをみると、ルワンダ、ケニアは黄熱病、マラリア、デング熱、エイズなど伝染病の注意書きがずらりと列記してあった。ウガンダは、それらの伝染病に加えて、特別大きな注意書きがあり、最近エボラ出血熱が発生したとの掲示があるではないか。まさに紛争と伝染病の国に行くのだ、という覚悟を迫られた。
 かかりつけの医者にアフリカに行くというと、親切にも解熱剤、胃腸薬、抗生物質などさまざまな薬を処方してくれた。またマラリアを避けるために蚊にさされないよう、携帯の電気蚊とり器を探していくつかの電気屋や薬屋をまわった。近所のマツキヨでなんとか見つけ出した。
 さて、今から考えるとこうした準備や、伝染病、治安への不安など、全くの杞憂にすぎなかった。国際政治を専門にし、これまで一般の人よりは多くの外国を旅行し、アフリカについても多少の知識をもっていたつもりであったが、アフリカに対する認識かいかに誤っていたか、浅かったか、今回つくづく思い知らされた。恥じ入るばかりである。
 稿をあらためて書くが、一般の人々どころか専門家といわれる人々も含めて日本人のアフリカへのイメージは根底で間違っているのではないか。アフリカの多くの人々が貧困にあえぎ、病気に悩まされ、紛争の悲劇に嘆き悲しんでいるというイメージはアフリカの一面でしかないという当たり前のことを我々は忘れがちである。マスコミのせいもあるのかもしれないが、アフリカを援助対象国としてしかみない、言い換えるなら先進国の傲慢さがアフリカのあるがままの姿を曇らせているのではないか。(続く)

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Comments

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