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April 12, 2008

虐殺地巡礼-その2-

 3月1日(土) 午前8時にホテルを出発。キガリに近い二つの虐殺記念サイトを訪問する。
 最初に行ったのは、ンタマラ記念サイトだ。キガリ市内から20分程度の距離にある小さな村の教会が記念館になっている。残念ながら土曜日で中には入れなかった。しかし、教会の柵越しに粗末な建物の中に遺骨が安置されているのが見えた。一般公開するために特別につくられた施設というのではなく、犠牲者を追悼するために教会に遺骨を安置したということなのか。キガリ虐殺記念センターのホームページの説明によると、事件の際には5000人もの人々がこの教会に逃げ込んだという。
 ムランビ訪問の際にも感じたことだが、このような寒村でなぜ虐殺がおこったのか全く理解できない。私が教会の周辺をビデオで撮影していると早速近所の子どもたちが数人集まってきて、口々に何かを言っている。タクシーの運転手にかんたんな通訳をしてもらうと、教会の敷地に入る鍵はだれか村の人が持っているが、今いない、という。私が日本人だとわかると、子どもたちは口々にジャイカ、ジャイカと囃し立て始めた。そして教会の前にあった建物に行くと、そこにはジャイカの援助活動を記したリーフレットが窓にはさんであった。水利事業の援助でジャイカの日本人職員がここを訪れたようだ。
 ひとりの子どもが、私に手を差し出して、「ペン、ペン」と言い始めた。最初、なんのことかわからなかったが、ペンをくれといっていることがわかった。ジャイカの職員かボランティアの人なのか、ここまできてペンを配ったのだろう。昨年、カンボジアで子どもたちにペンを配ったことを思い出した。日本人をみるとペンをくれる人と思われることに、いささか複雑な心境にとらわれた。
 次に行ったのはニャマタ記念サイトだ。ここはンタマラから車で30分程のところにある。ンタマラ同様に小さな村の教会が記念館になっている。残念ながらやはり土曜日で教会はしまっていたために中にはいることができなかった。教会の裏手には墓地があった。キガリ虐殺記念センターのホームページの説明によると、この地区では約2500人が犠牲になったという。教会の前には広場があり、子どもたちが縄跳びやサッカーで歓声を挙げて遊んでいた。一昔前の日本の田舎の風景と変わらない。変わっているのは人々がアフリカ系の子どもだというだけだ。子どもたちの屈託のない笑い声をきくと、なぜここで虐殺が起きたのか、ますますわからなくなった。
 前日に行ったニャンザ、ムランビ、そてしンタマラ、ニャマタいずれの場所も水道も電気もほとんどないような寒村だ。もちろん虐殺事件当時には携帯電話もなかった。一体、どのようにして虐殺が起きたのか。ツチ族に対するフツ族の積年の恨みが原因といわれるが、なぜそれが一気に人々の間に広がり爆発したのか。ラジオが煽動したといわれるが、たしかにキガリのような都市ではそうかもしれない。しかし、地方の寒村ではラジオさえ十分に普及していなかったのではないか。『八つ墓村』ではないが、山間の小さな村の閉塞された空間、あるいはルワンダがアフリカの内陸に閉塞された国家だから起きた一種の集団ヒステリーなのだろうか。虐殺地の現場を訪れて得た唯一の教訓は、フツ族対ツチ族の民族対立という理解があまりに浅薄だということだった。

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